今年気に入っている器が池本窯 池本惣一さんの小皿です。
池本さんはもちろん砥部の土を使うのだけれど、現在は4種類ほど(配合を変えたもの)を用意しており、この皿は砂を混ぜた「荒土」を使っているらしい。整い過ぎない味わいある表情をしている。
池本さんは李朝陶磁をたくさん見ている。「この形だと沢山作れるんです」と、そう話してくれた。
底をあえて厚めに残すこの皿は、かつての職人が数を作ることから生まれた形状をしているのだろう。
個展の最終日に残った2枚を自分用にしようとカウンターに置いておいたら、そのうちの1枚はお客様に気に入られて旅立ちました。徹底した平凡さ、均整を超えた均整・・・こういった評価軸の延長線にも、長く使える良いものがあるのだと考えます。
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