著者である中川静子氏が「阿波に生まれて藍を書かなければ、死んでも死にきれない」と、病に倒れながらも書きあげた明治中期の徳島を舞台とした大作。膨大な資料を精査し丁寧な取材で往時の情景を鮮やかに手繰り寄せており、物語に引き込まれる。阿波藍について学ぶべき要素すべてが詰まっている、と言っても過言ではなく、その全体の設計と構成力にも驚かされる。僕はこの本を読んでから舞台となった石井町をはじめとする、かつての藍作地帯の景色の見え方が完全に変わった。
舞踊家であり民俗芸能研究者であった檜瑛司氏が序文に寄せた「啖らいついて」という言葉は、著者の藍や地域に関わる姿勢を如実に示しており背筋が伸びる。外部の人間はどのような姿勢で藍と関わるべきだろう?
藍師の家を読まずして阿波藍は語れない、できることならば文庫化して多くの方に読んでもらいたい。
そしていつか映画化してくれることを願う一冊。
先日、開催されたANANデザインフェスタにて"ブックレビュー"を書かせていただきました。
「藍師の家」は。最近読んだ本では最も印象深い一冊です。もっと早く読んでても良かったけど、「めぐる、」の連載がはじまる前だと理解できないことが多かったと思うから、(取材して色々と学びました)今読んだ方が圧倒的に理解度が高かった。僕にとっては本当にいいタイミングだったと思います。
来年はこの本を文庫化できるような活動ができたらと、密かに考えております。
現在、吉野川流域で普通に見られる風景。 おそらく藍を育てていた農家さんのお家ですが、石垣すごいですね。(つまり洪水に備えていたということです)この話は機会作ってちゃんと書かないとあきませんね。
さて、6月16日(金)は、徳島県藍染研究会総会です。県庁の方には、昨年お持ちいただけなかったコレを、全部持ってきていただき説明してもらえるようお願いしています。今年はちゃんと持ってきてくれると思います・・・が、なんか心配になってきたので、念押しに電話しておきます、、汗
今回は文化未来創造課の他に、観光政策課、新未来産業課からも職員の方が来られるそうですが、
勉強会が続いていることや、四国大学 藍の家 の活動もあってのことかなと感じています。ありがたいですね。
行政に対し意思を伝える貴重な機会ですので、しっかりとお話ししたいです。
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