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心を支える靴


LICHT LICHT 靴の会 「心を支える靴」

会期:2023年5月20日(土)〜5月24日(水)

 

LICHT LICHT 金澤光記さんと靴の受注会を開催します。

完成までにお時間をいただきますが、心を支える一足に仕上げます。

良いものを選び使い続けることは、使い手の生活や価値観に影響を与え、やがては社会の変革へと繋がるものだと信じています。

 

一部、お持ち帰りいただける商品もご用意しておりますが基本は受注会となります。

納期は靴によって異なりますが、約3ヶ月程度〜となりますので、予めご了承くださいませ。

インスタグラムライブも開催予定です。お楽しみに!

 

長く履き続けていただくための、修理や修繕のご相談も賜りますのでお気軽にお越し下さい。


 

 

 

 

 



めぐる、15号の連載 Made in Local. にて、金澤さんの靴のことを書かせていただきました。

金澤さんとは長いおつき合いになりますが、取材をさせていただいてあらためて感じたこともあり、この時のタイトルをそのまま今回の受注会のテーマとしました。彼が「靴」という分野でありながら工藝や民藝にも強い興味を持つのは、叔父さんの影響があると長年感じてきたし(一度、長野の工房へお邪魔させていただいたことがあります)何より「生業」として靴づくりと向き合っている強さや責任を伝えたかったです。ご一読いただけますと幸いです。 

 

 

 

靴づくりを志したのは高校一年生の頃。叔父にあたる金澤知之氏は建築家 中村好文氏からも厚い信頼を受ける家具職人で、椅子の座編み、木工旋盤による挽物、鉄の溶接までこなす。その技術の幅広さと芯のあるものづくりの姿勢に強く影響を受けたという。

神戸医療福祉専門学校を卒業後に渡欧。ドイツ ブレーメンでマイスターのイェンツ・アーセンドルフ氏に師事し、より実践的な靴づくりと最先端の理論を学んだ。帰国後は相模原の技師装具会社で主に子ども用の整形靴を担当する。ここでは医師、理学療法士、義肢装具士、整形靴技術者の4者で個別の事例に対応し機能障害の緩和を目指した。その後に名古屋でアスリートのインソール制作の現場に携わりながら、ようやく自分の理想とする靴の試作をはじめることとなる。

現在、独立から8年が経つが奇を衒ったものは決して作らず、質実で健康、素直で気持ちの良い形をしたものを手がけている。LICHT LICHTの靴の魅力は医療と密接な現場でキャリアを積みあげてきた背景にある。着用する人自身やその家族の切実な願いと対峙し、個性を最大限に引き出そうとする姿勢で、デザインが本来あるべき姿を示してきた。フットプリンターに写しとられた足型は生まれてきた証であり、この先の人生を歩むための地図のようだと僕は感じた。


めぐる、15 Made inLocal. 「心を支える靴」より

 

 

 


 

気心のしれたメンバーで、楽しい写真撮影となりました。

今回も生津さんの写真が最高にかっこいいので是非本誌をご覧ください!

 

 

 

 


当店の喫茶書棚では「めぐる、」全号完備しております。(重ねてきた仕事を眺められることは嬉しい)

なかなかブログが書けないんですが、、めぐる、の連載を通じて感じたこと、気づいたことも多くありますので、できるだけここに書き留めておきたいと思っています。 






4.18 追記

自分もお店をやっているとたまに取材を受けることはありましたが、一番丁寧に取材していただいたカーサブルータスさんでも、滞在が2時間くらい+電話取材だったか・・・その取材時間内で伝えられることに限界があるし、そもそも紙面に限りがある。制約のある中で、どこに焦点を当てるかは編集力が問われる。あとは記事を書く人がどれだけその人の為に寄り添い、自分の時間を使うことができるかということだろう。

 

何かと話題になる神山への移住者が「靴職人」ということで、金澤さんは独立当初から注目されてきた存在でした。色々な媒体で取りあげられてきたことをご存知の方も多いと思います。

 

専門職のライターさんは記事を書くことが目的であって仕事だけど、僕が金澤くんの記事を書く場合には、よくある雑誌や新聞の取材記事とは違う。もう10年以上の付き合いがあって、もちろん友人でもあるけど、お互いの生活を助け合っている運命共同体でもあるから、僕しか書けないこと、取引先の立場からでないと伝えられないことがある。何より、彼の作る靴を一番沢山履いているのは僕だと思う。(本人以外で!)だからこそ書くという目的に「共に生きる」ベクトルを重ねられる。結果、書かなくていいことも書いてしまってはいるけど、それは作り手へのエール、愛だとご理解いただければと思います。

 

彼の作る靴を履いていない人がいくら取材してもわからないし書いても説得力はない。それは藍のことを知ろうとしない県職員が催事会場で腕組みしながらウロウロしてることに似ている。

つまらない組織にいる人は決まって「それが仕事だから」「やればいい」だ。愛情のベクトルが取材対象ではなく、組織や自分自身に向けられていることに自覚がない。だから良い職場の文化が育たないし、本来の目的を取り戻せない仕事は街や社会を腐らせる。


行政主導による催事の嘘臭さ、デザイン風なものの軽薄さ、上澄みだけやればいい、目立てばいいという目的と手段の入れ替わった行為・・・僕がそれらに対する違和感を持ち続けていられるのは、この店で常に「いい仕事」と向き合えているからだと思う。そんな思いをDMに書いたこの一文に込めた。

 

 

 

良いものを選び使い続けることは、使い手の生活や価値観に影響を与え、やがては社会の変革へと繋がるものだと信じています。

 

 


今買えなくても全然構いませんから、金澤さんの真っ直ぐな「いい仕事」に会いに来てください。

履けば何年後かの自分が変わることを約束できます。


いい仕事を生活に取り入れることができれば未来は変えられる。

ん?未来は変えられるって、これ何かのCMだ笑


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